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先輩のために出来るコト。

初任給が1万数千円の時代。この若者は金にもならない俳優を目指していました。しかし俳優の養成所は入学金が用意できず、横浜トヨペットのカーセールスマンになりました。ノルマを達成すれば歩合が付く。若者は一月に22台売り月給は20万円をこえていました。そんな幸せな毎日を送っていたかに見えた若者ですが、ある日に新聞で一つの募集記事を見つけました。当時、絶頂的な人気を博していたクレイジーキャッツの植木等の付き人&運転手の募集でした。

この物語の主人公は小松政夫さん。のちにギャグの宝庫とも呼ばれた名喜劇俳優です。

植木等さんの運転手をしながら、いつかは俳優になりたいと思う日々。 『一日一回は植木等に喜んでもらえることをしよう』と決めて生活していました。ある日、クレイジーキャッツのライブで、演目と演目との間の場つなぎを任される事になりました。初めはまったくウケませんでしたが、映画解説の淀川長治さんのモノマネなどが当たりだす頃には、笑いのコツとテンポを理解していきました。

あと数ヶ月で4年目という頃、運転中に植木さんが声をかけてきました。

「明日からもう来なくていいよ」と一言。

失敗も沢山しました。忙しい植木さんの生活に寄り添う日々。睡眠不足から赤信号でハンドルを握ったまま寝ていた事もあります。『もう首か』って肩を落としたら、次の一言で心臓に衝撃がはしりました。

「事務所に行って社長に『小松を独立させてほしい』って言ってきたんだよ。マネジャーも給料も全部決めてきたからな」と。

小松さんはその後のインタビューでこう答えています。

「もうびっくりしましたね。涙がバンバンあふれて。クルマを止めてハンドルを握ったまま泣かせてもらいました。どのくらい時間が経ったのだろうか、植木さんが『別に急がないけれど…そろそろ行くかぁ』と一言。師匠のやさしい心遣いがしみた時でした。」

師匠や先輩の為に出来ることを、しっかり真面目にやる。見返りなど期待せず。そのひたむきさは自分が想像する以上にみられているものです。特に若いうちはしっかり苦労しておいた方がいい。

senpai

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