銀色の箱

mirai
未来のある日。ボクは寝ぐせのついた髪をかきあげながら、バスルームの隣にある、銀色の箱に頭をいれました。なりたい髪型はダウンロード済み。銀色の箱に頭を入れさえすれば、セットしてくれるばかりか、必要なカットまでしてくれます。さらに女性モードに変えれば、女性は自動的にメイクまで済むことができます。
オートマティック・ビューティー
とっても便利で自由な世界。でも、そんな世の中がきたら美容に関わる人たちの仕事は無くなってしまうかもしれませんね。でも、きっとそんな世の中でも、ボクはやっていける自信があるんですよ。理由は最後にとっておきましょうか。
ボクは時々レストランに行きます。レストランでワインを飲むと、一般小売価格の2倍程度の金額を払う事はもう周知の事実ですよね。誰もがポケットの中に入っているスマホで、好きな時に、好きな場所で、自分の好みにあったワインを自由に買えるこの世の中で、どうして2倍の価格を払ってまで人はレストランに行くのでしょうか?
この質問には、人それぞれの考えがあるでしょうが、ボクはこう考えるんです。その料理にしっかりあったワインの組み合わせを楽しむ為には、ソムリエといったプロの力が必要なんだと。彼らはそれをマリアージュと呼びますが、一度でもこの状態を体験した人は、ただ酔うために飲むという事が勿体無く感じることでしょう。
ボクたち美容師も、マリアージュをもっと意識したらどうなるでしょうか。お客様の人生のこのモーメントにピッタリな髪型を一緒に考え・探し・ご提供する。そんな働き方ができたら、きっとこんな銀色の箱なんて怖く無いと思うんです。
ボクのサロンには男女問わず幅広い年代の方々がいらっしゃいます。そして今後の日本では、若者がどんどん減り、高齢者の数がもっともっと増えるでしょう。そして70代はまだまだ元気。草野仁さん、森本レオさん、加賀まりこさん、杉良太郎さんなど元気な70代の代表じゃないでしょうか。
これからの美容室のあり方とは、性別・年代を問わず、美しく生きたいというキモチに寄り添い、お客様が気付いていないお客様の美しさに気づき、お見せ差し上げることだと思います。
きっと、機械にはまだまだ出来ないでしょうから。

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